2020-06

【逆襲】宅建士の悲鳴/競売物件に見た恐怖!崖っぷちの攻防 - 2020.03.20 Fri

こんにちは。
ラッキーな宅建士松ジューです。

このブログではこれまで主に宅建試験のことと賃貸業務についてのことを発信してきましたが、今回は競売物件の業務に携わっていた新米時代のことをご紹介します。

競売物件というのは簡単に言ってしまえば、ローンが払えなくなって泣く泣く手放すことになった土地や建物のこと。

裁判所から一番高く入札した個人や業者がその物件を落札することができます。


私がいた会社は落札した物件をリフォームし内覧会を実施して売り出していたのですが、晴れてその日を迎えるまでには恐ろしく泥臭い準備がありました。

不幸にもお金に苦しむことになった人々の住まいへの念は、並々ならぬエネルギーで未熟な私に襲いかかってきました。

これから宅建士を目指す人の役に立つ部分が必ずあると思いますので、どうか最後まで観ていってください。

(放たれた犬)


競売物件に見た恐怖ひとつめ。
放たれた犬。

裁判所から入札可能な物件が公示されると、その資料を閲覧し現地で物件調査を行うのですが、すでに空き家になっている物も多い反面、中にはまだ本人家族が暮らしている物件もあります。

物件調査では建物の東西南北からの写真と駐車場、前面道路の写真を撮ることが決まりになっていたので、人に住まわれているととてもやりにくい。

空き家であれば庭まで入って撮影できるのですが。


その物件は町から離れた、林が生い茂る田舎にありました。
土地はゆうに300坪を超え、建物も築10年と新しく、一目見ただけでしっかりお金をかけた作りだとわかりました。


物件資料によると年配夫婦が暮らしているとのこと。
私は車を降りていつものように写真を撮り始めました。

会社から支給されているカメラは廉価版の使い捨てカメラですからズーム機能がなく、300坪の広い庭の外からだと庭木が視界をさえぎるし、それをよけると建物も小さくなりすぎて会社に持ち帰る調査資料としては不十分でした。

私がカメラのレンズを覗きながら建物が最低限、認識できるところまで歩いていると、二階の窓から不愉快そうにこちらを見ている奥さんと目があいました。

私はあちゃーと頭をかいてカメラをおろします。

そして庭に入った理由をどうやって説明しようかと口を開いた瞬間、ガシャリと玄関のドアが開き、1メートルほどの痩せた犬が放たれました。

系統で言ったら秋田犬とかそのへんの種類です。
ワウワウと吠える犬の後ろで、ダンナと思われる男が鬼の形相で私をにらみつけ、ゴーっと叫ぶと、犬はヨダレを垂らしながらこちらに全力でかけてきました。

まるで飢えたオオカミ。

飼い主のダンナもこの犬もまともな顔じゃない。
完全にここを死地と定めた怖いものなしの形相でした。

私は一瞬でヤバい!と悟り、全力で走りました。
50メートル7秒フラットの快速が革靴のせいで思うように駆けてくれません。

靴のカカトが何度も迫りくる犬に当たるのがわかりました。

しとめられるって思いましたね。


私はようやく庭を出てとめていた車に乗り込むとすぐにエンジンをかけて犬を振り返りました。

犬は庭からは出ずにワウワウと車を威嚇し、体を右に左に跳ねて決してここは通さねえぞという構え。

ほんの数秒の出来事だったのでしょうけども、私にとっては恐ろしく長い恐怖でした。
まさか人に犬を放つ飼い主がいるなんて。

私は恐怖とショックでコンビニの駐車場に車をとめてしばらく放心しました。
あの夫婦は他の業者をいつもあんなふうに追っ払っているのでしょうか。

物件調査に失敗した私は、あの家は自殺物件だったと会社の皆にウソをついて、入札を見送らせたのでした。

この時のことは今でもトラウマで、時々犬と一緒に散歩をしている小さな子供を見かけると不安になってしまいます。

飼われていると言えど、犬の正体は肉食のケモノ。

どうかあの子が無事でありますように、と。


(ラブホテル監禁)

競売物件に見た恐怖ふたつめ。ラブホテル監禁。競売に出される物件は土地と一戸建てだけではなく、時としてラブホテルのような巨大施設の場合もあります。

これもやはり東西南北から写真におさめねばならないので、なかなか大変。

特に郊外ですと、ご存知のようにこういう宿泊施設の周りには目隠しのように高い塀が作られており、これを外から写していては調査としては不十分。

なのでそっと塀の中に入って撮ります。

幸い平日の昼間なので止めてある車もなく、ひと気が感じられない。
私はしめしめと建物を一周して帰ろうとしたその時、まんまと声をかけられてしまいました。

「おい、おたくなにしてんの?撮ってただろウチを」

犬と違っておデブ気味のおっさんだったので、私は一瞬無視して走って逃げようかとも思いましたが、ここは個人宅でもないので正面から話そうと思い直しました。

「ここのオーナーさんですか?裁判所から資料が出ていたので見せていただこうかとここに来ました。すいません」

するとオーナーらしき男は私を手招きし、ちょっと中で話してくれる?と声をひそめました。

その声に少し迷いましたが、私は裁判所からの資料という大義名分を支えに従いました。
まさかいきなり刺されたりはしないだろう。

そんなことをしたらホテルを失うどころか人生すら失いかねないのだからと。


男は私をテレビモニターが何十台もある事務所に通しました。
そして、これでいつも見てるから誰が来たってすぐにわかるのさ、と自慢げにいいました。

事務所は新聞や雑誌が乱雑に置かれ、代えの蛍光灯が何本もむき出しのままダンボールに突っ込まれていました。

そしてやけに煮干し臭い。

正確には煮干しではないのだけれども、いやなすえたニオイがしました。

男はタバコを吸いながら私から物件資料を奪い、なめるように中を見るとこんなのデタラメだといって顔を赤くしました。

デタラメってことはこの物件は競売にはならないってことですか?と私が半信半疑にたずねると男はそうだとうなづいて私からカメラも奪おうとしました。

私はとっさにそれを隠して、カメラは会社のものなのでお渡しできませんと答えると、ケーサツを呼ぶぞと脅してきたので、どうぞと伝えました。

私はこの男にケーサツは呼べないことがわかっていました。
なぜなら数あるモニターの中、そのいくつかの画面は客部屋を写していたからです。

盗撮カメラでもこんなに鮮明に映るのかと、私は戦慄しました。

入ったら天井に気をつけろ。


カメラよこすまで帰れねえぞと凄んでいた男でしたが、私のかたくなな態度にだんだんと弱気になっていきました。
そして結局、私の名刺と社長のフルネームを教えることと引き換えに解放されることができました。

男は、しっかり弁護士と抗議するからな!と強がってはいましたけども。

ホテルの外はもう日が落ちかけていて、すっかり奴のタバコと煮干し臭くなったスーツを消毒するように自分のタバコをゆっくり吸いこみました。
その間も客はゼロ。


(裏稼業の人)

競売物件に見た恐怖みっつめ。
稼業の人。

競売物件をめでたく落札すると、入札当時空き家だったはずの物件に何故か人が住んでいることがあります。

その家の関係者かといえばそうでもない。
鼻の効く人達のしわざ。

具体的には落札した業者からの数十マンもの立退き料が目的なわけですが、会社としてもほいほいと言いなりに出すことはしないので、冷や汗ものの綱引きが始まります。

その日、私は店長から封筒を渡されました。
先週落とした物件に行って中の人に渡して来てというもの。
そしてガムテープも渡され、もし留守だったらこれでドアを目張りして封筒も貼り付けて来てとのこと。

この物件は他の同僚が担当した物だったので、私は初めての道を車で走らせました。

やがてたどり着くとなんてことのない普通の住宅街。
普通のありふれた2階建て住宅でした。

私は表札を見て番地を確認し、さっそくピンポンを鳴らしました。
駐車場には軽自動車が一台止めてあったので留守ではないはず。

私は3度4度としつこくピンポンしましたが誰も出てきてはくれなかったので、店長に言われたとおりガムテープでドアをしっかり目張りして簡単には開けられないようにしました。

そして真ん中にはこれみよがしの封書貼り付け。


私はよくある普通の立退き交渉のひとつに過ぎないと思っていたのですが、会社に帰ると店長がなにやら神妙な顔で電話をしていました。

受話器から漏れ出る男の怒鳴り声。
しばらくやり取りを聞いているとどうやら、さっきのガムテープの件、ドアに貼られたことが気に食わないという内容のようでした。

男の言い分は、帰ってきたらドアが開けられず風邪をひいた、どうしてくれる。テープを貼り付けた若い男を出せ、というもの。

完全にピンポイントで私のことです。

家の中には女性がいて、居留守をしながら外の様子をうかがっていたとのこと。

女の手前か、男は猛烈に逆上していました。

店長の説明をことごとくさえぎって、どうしてくれると息巻きます。
店長は「川島さん、そんなことやってるとまた捕まっちゃいますから、もうよしましょう、規定額以上は払えない決まりなんですよ」と手慣れた様子。

川島?表札は高橋だったんだけどな、と事情を飲み込めずにいると、向かいの同僚が「川島さんはこの辺では有名な占有屋なんだよ。もうウチとはずいぶん長い」と教えてくれました。

占有屋?
私は初めて合点がいって、直後にずしりと重い恐怖を胃の奥に感じました。

私が行ったのはヤバい家に違いなく、もし男が在宅していたら、と思うと店長を恨みたい気持ちで瞬間頭がいっぱい。

最初に一言ください。


若い男を出せ!という川島の要求を店長は、自分が行かせたので私が話を聞きますと何度も繰り返しました。

川島は私個人を詰めれば金が取れると思ったのでしょう。
それを店長は鉄壁の守りでゴールを割らせません。

私はひやひやしながらやり取りを見つめ、祈りました。どうか自分に火の粉が飛んできませんようにと。

電話は30分も続いたでしょうか、川島は最後に「貸しだよ店長さん、次はちゃんと落とし前つけてもらうからね」と言って切りました。

店長が受話器を置いて息を吐き、あの人悪い人じゃないんだけどなぁとボヤくと、しんとした事務所が笑いに包まれました。

私は肝を冷やしたまま笑うことなど到底出来ず、その後しばらくは電話恐怖症をわずらうはめになったのでした。


では最後に今日のポイントと対処法です。
競売物件に見た恐怖!もし犬を放たれたら、全力で犬の縄張りから出ろ、ナメると怪我をするから。

そしてラブホテルに監禁されたら、モニターを見ろ、不正な場所を映してるカメラはないか。

最後に、落札物件に住んでいるのは本当に本人か、稼業の人かもしれないので心の準備はしておこう。でした。


このブログでは宅建試験のことと不動産屋の中のことを発信しています。宅建士に興味があるよ、これから試験をうけるよって人はぜひブックマークしてください。

最後まで見てくれてありがとう!
またね!

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Author:松ジュー
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